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消費税額は個別で積み上げ計算?合計額から割り戻す?額が合わない時の対処法

2023年2月10日 カテゴリー:経理事務代行
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消費税の計算をする場合、個別で積上げ計算した時と合計額から割戻す時で金額が合わないことが多くあります。この場合はどんな対処法があるのでしょうか。

申告時に慌てないためにも、細かい消費税額の計算法や修正法などについて解説していきますので、曖昧だなぁという方はぜひご確認ください。

消費税の計算方法

消費税の計算方法は、大きくわけて以下の2つとなります。

  • 積上げ方式
  • 割戻し方式

まずは2つの計算方法の違いを簡単に解説していきましょう。

積上げ方式とは?

積上げ方式の消費税の計算は、とても単純な方法です。商品ごとの消費税がいくらかを計算しておき、算出された消費税をひたすら足していく方法になります。

例えば、税込979円の商品A(税率8%)を12個買うとした場合を考えてみましょう。

【積上げ方式の計算方法】

商品1つあたり消費税
979円×8/108=72.518…円

12個購入した場合の消費税額は
72円×12個分=864円
となります。

割戻し方式とは?

続いて先ほどと同じ商品を同じ数だけ購入し、割戻し方式で消費税を計算したらいくらになるのでしょうか。

【割戻し方式の計算方法】

先に支払額を計算します。
979円×12個=11,748円

続いて、そのうちの消費税額を計算します。
11,748円×8/108=870.222…
よって870円が消費税額ということです。

積上げ方式と割戻し方式の違いはなぜ?

これら2つの計算方式を比べると、積上げ方式では消費税が安くなり、割戻し方式では消費税が高くなっています。これは簡単な話で、積上げ計算の場合には商品1つごとに消費税を切り捨てていることが原因です。切り捨て回数が多ければ多いほど、消費税額は安くなる、ということですね。

なお今回は切り捨てで行いましたが、切り上げや四捨五入を使用することも可能です。その場合には、積上げ計算のほうが消費税額が高くなることもあります。

消費税申告、積上げと割戻しのどちらが有利?

では消費税申告では、積上げ方式と割戻し方式のどちらを選択したほうが有利なのでしょうか。実はここが大事になるのは、2023年10月の通称「インボイス制度」施行開始後です。とはいえ10月よりも前に事業開始月となる事業主、企業がほとんどであることを鑑みると、早々にどちらを選択するべきか考えたほうが良いでしょう。

インボイス制度開始後、どちらの方式を選択したほうが有利なのかは以下の記事でも解説しています。ぜひご一読ください。

(参考記事:インボイス制度開始間近!消費税の計算方法は積上げと割戻しのどちらが有利?

ただ実際のところ、事業主、企業によって取引内容の詳細が全く違うため、どちらを選択すべきか一概には言えません。ぜひインボイス制度開始前に、一度私たち税理士法人GrowUpへご連絡いただけると幸いです。もちろん開始後もご相談くだされば、取引内容に合わせてご回答させていただきます。

金額が合わない時の対処法

では続いて、領収書やレシート、請求書などの消費税の金額が合わない時の対処法を確認しましょう。「自分で検算してみたら合わなかった!」という時はもちろん、「会計システムで仕訳計上してみたら、自動で計算された消費税額と合わない!」という時に、ぜひご参考にされてください。

少額のズレ

まず少額のズレは気にする必要がないことがほとんどです。1.2円の違いであれば消費税の端数計算を切り捨て・切り上げ・四捨五入のどれで行っているかで簡単に変わってきます。書類の総額にもよりますが、大抵1.2円、大きくても数十円程度であれば許容範囲内と思ってかまいません。

仕訳計上する際には、書類に書かれている消費税でも構いませんし、会計システムで自動計算された消費税額でも構いません。

ただしインボイス制度施行後(2023年10月以降)は、自分、自社がどちらを選択しているかを念頭に置き、それに合うように計上しましょう。

多額のズレ

100円以上もの多額のズレは、さすがにそのままにしておくことはできません。原因は以下の2つが多いですね。

  • 税区分の間違い(課税8%、課税10%、非課税、対象外)
  • 請求書等の記載では立替金、こちらでは経費となる時

特に2つ目の「請求書等の記載で立替金となっており、自分、自社での計上時に経費となる時」は、要注意です。例えば派遣社員を受け入れていて、派遣会社に金銭を支払う場合、大抵の請求書では派遣社員の交通費は立替金となっています。確かに派遣会社にとっては立替金で消費税が発生しないのですが、派遣会社に支払う交通費は自分、自社にとっては課税10%の経費です。そのため請求書と大きく消費税額のズレが生じます。

基本的にどんな理由で請求書等で消費税額がズレていたとしても、自分、自社にとって正しい消費税額となっていれば、申告上で問題はありません。ですので、しっかりと消費税額の確認が必要と言えるでしょう。

まとめ

  • 消費税の計算には積上げ方式と割戻し方式がある
  • 少額のズレは気にしなくて良いが、100円以上違う場合には要注意
  • 請求書等に記載されている消費税は間違っていることがある
  • 発行側では間違っておらずとも、受取側では間違い、ということもある

ここまで消費税の計算方法や消費税額が間違っていた場合の対応方法などを解説してきました。やはり消費税は細かい計算となることもあり、事務手間が大きくかさみます。そこでお勧めなのが、経理代行サービスに頼ることです。申告でも困らないために、ぜひ私ども税理士法人GrowUpへご連絡ください。

ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました。

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