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2026年4月から社会保険料が変わる|子育て支援金の新設と給与計算への影響を解説

2026年3月21日 カテゴリー:経理事務代行
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2026年4月から社会保険料が変わる|子育て支援金の新設と給与計算への影響を解説

 

2026年4月は社会保険料の変更が集中する

毎年4月は社会保険料率の改定時期だが、2026年4月は例年以上に変更点が多い。健康保険料率と介護保険料率の改定に加えて、新しい制度である「子ども・子育て支援金」の徴収が始まる。さらに雇用保険料率も引き下げられる。

変更される項目を一覧にすると、次のとおり。

項目令和7年度令和8年度変動
健康保険料率(全国平均)10.00%9.90%▼0.10%
介護保険料率1.59%1.62%▲0.03%
子ども・子育て支援金率なし0.23%新設
雇用保険料率(全体)1.45%1.35%▼0.10%

健康保険料率が下がる一方で、介護保険料率は上がり、子育て支援金が新設される。差し引きでは負担増になる企業が大半だろう。給与計算の担当者は、どの項目がいつから変わるのかを正確に把握しておく必要がある。

料率変更はどうしても忘れがちで、毎年この時期は注意が必要だ。ソフトの設定変更が漏れたまま給与を計算してしまい、翌月に気づくというケースも珍しくない。

 

健康保険料率と介護保険料率の改定内容

健康保険料率は全国平均で0.10%引き下げ

協会けんぽの令和8年度の平均保険料率は9.90%で、前年度の10.00%から0.10ポイント引き下げとなった。全47都道府県のうち40都道府県で引き下げまたは据え置きとなっている(協会けんぽ 令和8年度保険料率のお知らせ)。

ただし、保険料率は都道府県ごとに異なる。滋賀県の料率は協会けんぽ滋賀支部の令和8年度保険料額表で確認できる。自社が所在する都道府県の料率を必ず確認してから給与計算に反映してほしい。

介護保険料率は0.03%引き上げ

40歳以上65歳未満の従業員から徴収する介護保険料率は、1.59%から1.62%に上がる。こちらは全国一律の料率で、都道府県による差はない。

いつの給与から変わるか

健康保険料率・介護保険料率の改定は「令和8年3月分」から適用される。多くの企業では社会保険料を翌月控除(3月分を4月支給の給与で控除)しているため、4月支給の給与から新しい料率で計算することになる。

当月控除の企業であれば3月支給の給与から変更が必要になるので、自社の控除タイミングを確認しておくことが大切だ。

 

子ども・子育て支援金とは何か

2026年4月から始まる新しい制度

子ども・子育て支援金は、こども家庭庁が所管する「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律」に基づいて創設された制度である(こども家庭庁 子ども・子育て支援金制度について)。

健康保険に加入している被保険者と事業主が、保険料に上乗せして負担する。いわゆる「新しい税金」ではなく、医療保険の仕組みを使った徴収だが、実質的には従業員と企業の負担が増える。

支援金率と負担額の目安

2026年度の支援金率は0.23%。健康保険料と同じく、事業主と従業員が折半で負担する。

標準報酬月額ごとの従業員負担額(月額)の目安は次のとおり(企業実務サポートクラブ)。

標準報酬月額支援金(従業員負担・月額)
20万円約230円
30万円約345円
40万円約460円
50万円約575円

1人あたりの金額は小さく見えるが、事業主負担も同額かかる。従業員30人の会社で平均標準報酬月額が30万円だとすれば、会社負担は月額約10,350円、年間で約12万円の追加コストになる。

給与計算の注意点:徴収開始は5月支給の給与から

子ども・子育て支援金の適用は「令和8年4月分」から。翌月控除の場合、5月支給の給与から控除が始まる

つまり、4月支給の給与では健康保険料率と介護保険料率の変更を反映し、5月支給の給与で子育て支援金の控除を追加する、という2段階の対応が必要になる。これを1回にまとめてしまうとどちらかの月で計算が合わなくなるので注意してほしい。

給与明細への表示

給与明細での表示方法について、法律上は健康保険料と分けて記載する義務はない。ただし、こども家庭庁は「支援金の額を給与明細に別記すること」を企業に求めており、従業員への説明責任の観点からも分けて表示するのが望ましい(労務ドットコム)。

会計ソフトや給与計算ソフトの多くは2026年4月のアップデートで対応する見込みだが、ソフトの対応時期は製品によって異なる。使用しているソフトのアナウンスを早めに確認しておこう。

 

雇用保険料率は0.10%引き下げ

2年連続の引き下げ

雇用保険料率は令和7年度の1.45%から令和8年度は1.35%に引き下げられる。引き下げは2年連続だ(日本経済新聞)。

内訳は、労働者負担が0.50%(前年度0.55%)、事業主負担が0.85%(前年度0.90%)となる。

適用は4月1日から

雇用保険料率の変更は4月1日以降に開始する賃金計算期間から適用される。月末締め・翌月払いの会社であれば、4月1日〜4月30日分の賃金(5月支給)から新料率を使う。

社会保険料(健康保険・介護保険)は「何月分の保険料か」で料率が決まるが、雇用保険料は「いつの賃金か」で決まる。この違いを混同すると計算を間違えやすい。

 

2026年4月の給与計算で対応すべきことを整理する

変更点が多いため、時系列で整理しておく。

3月中にやること

  • 自社が加入する協会けんぽ(または偅保組合)の令和8年度保険料率を確認する
  • 給与計算ソフトの料玈設定を更新する(ソフトのアップデートが出ていれば適用する)
  • 子ども・子育て支援金の控除項目を給与明細に追加できるか確認する
  • 従業員に「4月から社会保険料が変わる」旨を周知する

4月支給の給与で対応すること

  • 健康保険料率・介護保険料率を新料率に変更(3月分の保険料=翌月控除の場合)
  • 雇用保険料率を1.35%に変更(4月1日以降の賃金計算期間から)

5月支給の給与で対応すること

  • 子ども・子育て支援金の控除を開始(4月分の保険料=翌月控除の場合)

GrowUpでは、給与計算を受託しているクライアント企業には料率変更を反映した状態で計算をお届けしている。給与計算を依頼されていない企業にも、料率変更のタイミングで一斉案内を送付し、設定漏れがないよう注意喚起している。

 

変更が多い年ほど「任せる」選択肢が効きやすい

2026年4月は健康保険料率の改定、介護保険料率の改定、子育て支援金の新設、雇用保険料率の引き下げと、4つの変更が重なる。それぞれ適用タイミングが微妙にずれるため、1つでも対応を忘れると給与計算に誤りが出る。

とくに子育て支援金は初めての制度であり、「いつから控除するか」「給与明細にどう表示するか」「会計ソフトの対応はいつか」など、判断に迷う点が多い。

経理担当者が1人、あるいは兼任で対応している中小企業では、毎年の料率改定が大きな負担になる。給与計算を外部に任せていれば、料率の確認・ソフト設定の更新・明細フォーマットの変更といった作業をまとめて依頼できる。

滋賀県内で給与計算や経理業務の負担を減らしたいとお考えの方は、経理代行と記帳代行の違いとは?給与計算をアウトソーシングするメリットと注意点もあわせてご覧いただきたい。

過去には、保険料の控除顝を間違えたまま数ヶ月気づかず、年度更新時にまとめて精算が発生した企業もあった。変更点が多い年ほど、こうしたミスが起きやすい。

 

まとめ

2026年4月は、健康保険料率の引き下げ(全国平均9.90%)、介護保険料率の引き上げ(1.62%)、子ども・子育て支援金の新設(0.23%)、雇用保険料率の引き下げ(1.35%)が同時に発生する。とくに子育て支援金は新制度のため、控除の開始時期(翌月控除なら5月支給給与から)と給与明細への表示方法を事前に確認しておく必要がある。4月・5月の給与計算を正確に処理するために、3月中の準備を早めに進めておこう。

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