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介護・福祉事業を運営している方の中には、「経理が回らない」「事務作業に追われて現場に出る時間がない」と感じている方が少なくない。
厚生労働省の「令和6年介護サービス施設・事業所調査」によれば、全国の介護サービス事業所数は約38万か所にのぼる(出典:厚生労働省 介護サービス施設・事業所調査)。滋賀県内でも介護保険サービスを提供する事業所は増加傾向にあり、県の指定・指導対象事業所は多岐にわたる(出典:滋賀県 介護サービス事業者の指定・指導)。
しかし、介護事業の経理は一般企業の経理とは大きく異なる。処遇改善加算の計画書や実績報告書の作成、毎月の国保連(国民健康保険団体連合会)への介護報酬請求、サービス種類ごとの売上管理など、介護事業特有の業務が加わるためだ。
実際に当事務所でも介護関係のお客様からご相談を受けているが、最初から経理のご相談として来られるケースがほとんどで、途中から外注に切り替えるというケースは今のところない。それだけ、開業時点から経理業務の負担を感じている事業所が多いということだろう。
この記事では、介護・福祉事業の経理業務でよくある課題を整理し、経理代行に外注することで何が楽になるのかを具体的に説明する。
介護職員等処遇改善加算は、介護職員の賃金改善を目的に事業所へ支払われる加算だ。加算を受けるには、毎年度「処遇改善計画書」を都道府県(滋賀県の場合は県の医療福祉推進課)に提出する必要がある(出典:滋賀県 令和6年度介護職員等処遇改善加算等計画書の提出について)。
年度終了後には「実績報告書」も求められる。実績報告では、加算で得た収入が実際に職員の賃金改善に使われたことを証明しなければならない。そのために13か月分の賃金台帳を用意する必要がある。3月のサービス提供分の加算が5月に入金されるため、実際の入金と賃金支払いのタイムラグを考慮した期間になるからだ。
この計画書・実績報告の作成は、経理業務と人事・労務の知識の両方が必要になる。小規模な事業所では管理者が一人でこの作業を担っていることも珍しくない。
介護事業所の主な収入源である介護報酬は、国保連を通じて請求する。毎月1日から10日までに請求データを提出しなければならず、この期限を過ぎると翌月回しになる。つまり、請求が1日遅れるだけで、入金が1か月以上ずれる。
請求には「介護給付費請求書」と「介護給付費明細書」の2種類が必要で、原則としてインターネット伝送またはCD-R等の電子媒体で提出する(出典:国保連請求の流れ)。利用者ごとのサービス内容・単位数・負担割合を正確に記載する必要があり、記載ミスがあると「返戻(へんれい)」として差し戻される。返戻が発生すると再請求の手間がかかるだけでなく、入金がさらに遅れてキャッシュフローに影響する。
介護事業は、提供するサービスの種類ごとに介護報酬の単位数や加算の計算方法が異なる。訪問介護、通所介護、居宅介護支援など、複数のサービスを運営している事業所では、サービスごとの収支を正確に把握しないと、どの事業が黒字でどの事業が赤字なのかがわからなくなる。
加えて、利用者の自己負担金(1割〜3割)の回収管理も経理の仕事だ。入金遅延や未回収が積み重なると資金繰りに直接響く。
上で挙げた介護特有の業務に加え、通常の経理業務(給与計算、仕訳入力、月次試算表の作成、年末調整、決算処理など)も当然発生する。
介護業界は慢性的な人手不足にある。現場の介護職員を確保するだけでも大変な中、経理の専任スタッフを雇う余裕がない事業所は多い。その結果、管理者やサービス提供責任者が経理業務を兼務し、本来注力すべき利用者対応やスタッフのマネジメントに手が回らなくなるという悪循環が起きやすい。
介護関係の事業所では、介護報酬の入金が保険等の関係で約2か月遅れる。そのため、売上が立っていても手元の資金が不足しやすく、資金繰りに問題を抱えるケースが目立つ。経理が後手に回ると、この入金のズレによる資金ショートのリスクを見落としがちになる。
経理担当者が急に辞めた時にまず何をすべきか|滋賀の中小企業向け緊急対応ガイドでも触れているが、属人化した経理体制は退職リスクが高い。介護事業所ではこの問題がとくに深刻になりやすい。
経理代行に依頼すれば、処遇改善加算の計画書や実績報告書の作成を専門家に任せられる。賃金台帳の集計から加算額の配分計算まで、制度を理解した担当者が対応する外注先を選ぶのが重要だ。
経理代行会社の失敗しない選び方とは?事前に確認しておきたいポイントを解説で選定時のチェックポイントを紹介している。
経理を外注しても、事業所側で管理すべき情報(利用者の変動、スタッフの入退社、サービス提供実績など)はある。外注先とのやり取りルール(資料の提出頻度・方法)をあらかじめ決めておくと、スムーズに運用できる。
できる範囲で帳簿や資料をまとめておいてもらえれば、外注を受けるタイミングでスムーズに引き継ぎができる。完璧にそろっていなくても対応できないことはないので、まずは相談してほしい。
経理スタッフを正社員で雇用する場合、年収に加えて社会保険料・採用コスト・教育コストがかかる。経理代行なら月額数万円〜で依頼でき、業務量に応じて費用を調整できる。小規模な介護事業所であれば、正社員を雇うよりもコストを抑えられるケースが多い。
以下のような状況にあてはまる場合は、経理の外注を検討する価値がある。
滋賀県は高齢化の進行とともに介護事業所の数も増えている。草津市・大津市・守山市・栗東市といった湖南エリアだけでなく、彦根市や長浜市など県北部でも新規開設が続いている。事業所の増加にともなって、経理体制の整備が追いつかないケースも増えている。
介護・福祉事業の経理は、処遇改善加算の書類作成、毎月の国保連請求、サービス種類別の売上管理など、一般企業にはない業務が上乗せされる。人手不足の介護業界では、経理の専任担当者を確保することが難しく、管理者が兼務して疲弊するパターンが多い。
経理代行を活用すれば、これらの負担を専門家に任せて、管理者や現場スタッフが本来の業務に集中できる環境を作れる。外注先を選ぶ際は、介護報酬の仕組みを理解しているかどうかを必ず確認してほしい。
介護事業の経理でお困りなら
税理士法人GrowUpは滋賀県草津市に拠点を置いており、草津市・大津市・守山市・栗東市・彦根市・近江八幡市など滋賀県全域の経理代行に対応しています。
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